DEXA法とは?

DEXA(デキサ)法は、骨粗鬆症の診断で最も信頼性の高い検査方法とされています。2種類の異なる強さのX線を使用して、骨密度を正確に測定します。日本の骨粗鬆症治療ガイドラインでも推奨されている検査方法です。
従来の骨密度検査と比べて、骨以外の組織(筋肉や脂肪など)の影響を受けにくいため、より正確な骨密度の測定が可能です。特に、骨折リスクの高い腰椎と大腿骨の骨密度を同時に測定できる点が大きな特徴です。
DEXA法の特徴
早期発見・早期治療が可能
一般的な骨密度検査(かかとや手首での測定)ではわかりにくい、初期の骨密度低下も発見することが可能です。これにより、骨折を未然に防ぐための早めの対策がとれるようになります。
治療効果の確実な評価
定期的に同じ条件で骨密度を測定できるため、治療の効果を正確に評価することができます。数値の変化を患者様と一緒に確認しながら、治療方針の調整も行えます。
リスクに基づく治療計画
腰椎と大腿骨の骨密度を正確に把握することで、将来の骨折リスクをより詳しく予測できます。これにより、患者様お一人おひとりの状態に合わせた、適切な治療計画を立てることができます。
一般的な検査との比較
高い信頼性を誇るDEXA法
骨密度測定には様々な方法がありますが、DEXA法は骨粗鬆症の診断において最も信頼性の高い検査方法として評価されています。特に当院では、腰椎と大腿骨を同時に測定できる高精度の装置を導入しており、より正確な診断が可能です。
一般的な検査は測定部位が限られる
多くの医療機関や健診で採用されている検査方法には、次のようなものがあります。
- かかとの骨を超音波で測定する方法
- 手首のX線写真から判断する方法
- 腕の骨で測定する方法
これらの検査は簡便で手軽に行えるため、スクリーニング(ふるい分け)検査として活用されています。ただし、測定できる部位が限られており、骨粗鬆症による骨折が起こりやすい腰椎や大腿骨の状態を直接確認することはできません。
当院の骨密度測定装置「PRODIGY FUGA-C LITE」
神戸市西区・伊川谷・明石のさいた整形外科リハビリテーションクリニックでは、骨密度測定装置に特にこだわり、高精度の「PRODIGY Fuga-C Lite」を導入しています。装置選定の際は、検査の精度を最重視して、より正確な骨密度測定を実現しています。
腰椎・大腿骨を同時に測定
「PRODIGY Fuga-C Lite」は腰椎と大腿骨を同時に測定できます。骨粗鬆症は部位によって進行度が異なることがあり、「腰椎は比較的良好でも、大腿骨の骨密度が低下している」といったケースもあります。両部位を測定することで、より正確な診断が可能となります。
高精度な測定
「スマートファン方式」と呼ばれる鋭角的なX線ファンビームを使用して、拡大誤差の影響を最小限に抑えた高精度な測定が可能です
患者様の負担を最小限に
検査時間はわずか10分程度で、姿勢を変える必要もありません。仰向けで寝ているだけで検査が完了するため、ご高齢の方や体力に不安のある方でも安心して受けていただけます。
低被ばくで安全な検査
DEXA法で使用するX線量は、通常のレントゲン撮影と比べてもごくわずかです。定期的な検査も安心して受けていただくことができます。
DEXA法による検査の流れ
検査の準備
検査では腰椎と大腿骨を測定するため、金属類が測定に影響を与える可能性があります。ベルトやファスナー、金属ボタンなどが測定部位に重ならないようにします。
検査中の姿勢
ベッド上で仰向けになっていただき、腰椎と大腿骨の測定を行います。検査中は測定精度を保つため、できるだけ体を動かさないようにしていただきますが、わずか10分程度で終了します。
検査結果の説明
検査結果はその場で出ますので、医師が詳しくご説明いたします。結果に基づいて、必要に応じて追加の検査や治療方針についてもご相談させていただきます。
DEXA法と他の検査の組み合わせ
血液検査
当院では骨密度測定に加えて、血液検査も併せて行います。骨代謝の状態を総合的に評価することで、より適切な治療方針を立てることができます。
骨代謝マーカーでの確認
血液検査では骨代謝マーカーと呼ばれる検査項目もチェックします。これにより、骨の形成と吸収の状態をより詳しく把握することができ、治療効果の確認にも役立ちます。
検査の費用について
DEXA法による骨密度測定は、保険適用で受けていただくことが可能です。
医療保険の自己負担割合にもよりますが、1割負担の方で500円程度、3割負担の方で1,500円程度となります(※)。必要に応じて血液検査を追加する場合は、別途費用が発生します。
※…自己負担額は目安です